生理の悩み

毎月訪れる生理のことでお悩みを持つ女性の方も多いと思います。
具体的には、「月経周期が一定しない」、「月経前にイライラしてしまう」、「月経の量が多い」、「月経痛がひどくてつらい」、「月経ではないのに出血がある」といった症状がよく起こります。
当院では、生理不順などに悩まれている患者様に寄り添い、しっかりと原因を見極めつつ、治療を進めていきます。
生理に関するお悩みのなかには、とくに治療をしなくても大丈夫なものもありますが、早期の治療開始が重要な病気もあります。
下表のような症状があるときは、治療が手遅れになることがないよう、お早めの受診をお勧めいたします。
このような方は当院をご受診ください
- 月経の周期が安定しない
- 月経周期が極端に短い
- 月経周期が極端に長い
- おりものの多い状態が続いている
- おりものの色が気になる
- おりものの匂いがきつい
- 外陰部がかゆい
- 外陰部から膿のようなものが出てくる
- 月経が来ない
- 月経時の痛みに悩んでいる
おりもの異常
おりものは、膣内に雑菌が入らないようにするために排出されるものであり、健康を維持するうえで重要な役割を担っています。
そのため、おりものが出ること自体は通常のことなのですが、ときにはおりものの性状に問題が起こることがあります。
正常なものであれば、クリーム状の色や透明に近い色をしており、ヨーグルトのような臭いがします。
これに対し、茶褐色や黄色、灰色をしていたときは、何らかの病気が潜んでいる可能性があります。
強い異臭がするとき、おりものだけでなく痛みもみられるとき、血が混じっているときも検査が必要です。
排卵期には女性ホルモンが増加するため、おりものの量が増えていくものですが、性感染症や子宮がんなどが原因となっているケースもあるので、自己判断せず、きちんと医療機関を受診することが大切です。
月経前症候群(PMS)
月経前症候群(PMS)は、月経開始の3~10日前から精神的症状や身体的症状が出現するのですが、月経開始とともに症状が軽減するものをいいます。
生理前になると、イライラする、気持ちが沈む、頭痛、腹痛、乳房痛などの症状がみられるため、仕事や家事に支障が出ることも多いです。
こうした症状は多くの女性が経験していますが、ご自身だけで解決しようとして、治療を受けていないケースがよくあるようです。
しかし、毎月生じる症状で日常生活に支障をきたすほどであれば、診療を受けることをお勧めします。
月経困難症
月経の期間中に様々な病的な症状が起こってしまう病気です。
具体的には、下腹部痛や腰痛、頭痛、吐き気、腹部の違和感などの症状がみられるようになります。
なお、月経困難症は、大きく機能性のタイプと器質性のタイプに分けられます。
このうち機能性の場合は、はっきりとした原因疾患はないのですが、排卵時に分泌されるプロスタグランジンなどが原因となり、子宮が過度に収縮して痛みを伴います。
器質性の場合は、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの原因疾患によって引き起こされるので、こうした原因疾患の治療を行っていきます。
生理不順
正常な生理ではない状態のことを、「生理不順」と呼んでいます。
具体的には、頻発月経、稀発月経、無月経、過少月経、過多月経、過短月経、過長月経などがあります。
このうち頻発月経は、正常とされる月経周期よりも頻繁に月経が発来している状態です。
24日未満で月経が起こっているときは、頻発月経となります。
無排卵性出血や黄体機能不全の可能性もあるので、きちんと検査を受けておくようにしましょう。
稀発月経は、月経周期が39日~3ヵ月程度の間隔で発来している状態であり、月経が発来してから排卵までの期間が長いことが考えられます。
スムーズな排卵が行われていないため、卵子の質が低下し、不妊の確率が高くなります。
主な原因としては、多嚢胞性卵巣症候群、内科的な全身疾患、ストレス、急激な体重の増減などがあります。
無月経は、月経が3ヵ月以上も発来していない状態であり、稀発月経よりもさらに注意が必要です。
主な原因はストレスとされていますが、甲状腺機能亢進症や多嚢胞性卵巣症候群などの病気が潜んでいることもあります。
過少月経は、文字通り月経時の経血量が極端に少ない状態です。
主な原因としては、子宮発育不全、排卵障害、黄体機能不全、卵巣から分泌されるホルモンの機能低下などが考えられます。
過多月経は、過少月経とは逆に、月経時の経血量が多くなりすぎている状態です。
使用しているナプキンなどを頻繁に交換する必要があるため、日常生活にも影響が出ます。
患者様によっては、レバーのような血の塊ができたり、月経痛に悩まされたりすることもあります。
ホルモンバランスの乱れによる一時的な症状のこともありますが、子宮筋腫や子宮腺筋症といった病気が潜んでいることもあります。
過短月経は、月経の持続期間が極端に短くなり、2日以内で終わってしまう状態です。
とくに気にされていない方も少なくないようですが、子宮発育不全、子宮内の癒着、無排卵性出血、甲状腺ホルモンの分泌異常などの病気が関係していることもあります。
過長月経は、月経の持続期間が8日以上になっている状態です。
この場合は、ホルモンバランスの乱れ、子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気、黄体機能不全などが考えられます。